家族葬で喪主を務めるあなたへ
~ 心を込めて送り出すための心得 ~
近年、身内や親しい人だけで静かに故人を見送る「家族葬」が選ばれることが増えてきました。形式にとらわれない分、心に残る温かな時間を過ごせる一方で、喪主として担う責任や準備には変わりがありません。今回は、家族葬で喪主を務める際に押さえておきたいポイントを、3つのステージに分けてご紹介します。
- 【事前準備】穏やかな見送りのための第一歩
喪主の最初の役割は、葬儀全体の“指揮者”になること。葬儀社との打ち合わせを通して、日程や場所、式の流れを決定します。
また、参列者を誰にするかを家族で相談したり、宗教者(僧侶や神父さんなど)への依頼も忘れてはならない大切なポイントです。香典や供花を辞退するなら、その意志を事前に伝えることも必要です。 - 【通夜・告別式当日】“ありがとう”を届ける役目
家族葬は小規模ですが、喪主としての立ち居振る舞いには、いつも以上の心配りが求められます。- ご挨拶や弔問客への対応
- 僧侶へのお布施の手渡し
- 通夜や葬儀の終わりに感謝を伝える「喪主挨拶」
- 出棺時の見送りや火葬場での対応
形式ばらず、自分の言葉で「ありがとう」を伝えることが、何よりの供養になるかもしれません。
- 【葬儀後】静けさの中でも、やるべきことは続く
葬儀が終わったあとも、喪主としての役割はしばらく続きます。香典返しや挨拶状の準備、四十九日などの法要の段取り、納骨の手配、さらには役所や銀行での手続きもあります。
見送りの節目をひとつずつ丁寧にこなすことで、遺されたご家族の心も少しずつ整っていきます。
最後に:喪主とは、ただの役割ではありません
喪主という立場は、形式的なものではなく、故人の人生を代表して送り出す深い意味のある役目です。初めてのことで戸惑うこともあると思いますが、あなたの「思い」こそが、なにより大切な儀式を作り上げていきます。
どうか肩の力を抜いて、あなただけの送り方で、大切な人に“ありがとう”を伝えてくださいね。
以上
